オーディオブック版「屍人荘の殺人」を聴いた感想【設定がおもろいホラーサスペンス】

国内ミステリランキング4冠を達成して、映画化も果たした話題作「屍人荘の殺人」のオーディオブック版を聴いてみたので感想を書いていきます。

タケシ!

どうもこんにちは!
時々無性にミステリが読みたくなる、オーディオブックマニア
のタケシ!(@takeshi_audio)です。


audiobook.jpで配信されている「屍人荘の殺人」は、声優陣の読み上げによる豪華作品です。
第27回鮎川哲也賞受賞作!など、評判も良さそうなので、期待高めで聴き始めました。

聴いた感想としては色んな意味で驚かされる作品です。
タイトルからしてガチガチのホラー作品なのかと思っていましたが、予想の斜め上をぶっ飛んで行きました。
それはそれでめちゃくちゃ面白かったです。

それでは参ります!

この記事を書いている人
読書ブロガー/本スタグラマー
タケシ
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年間300冊以上の本を読む読書家。電子書籍ストアやオーディオブック配信サービスを40社以上レビューしてきた読書ブロガー。読書情報ブログ「AudioBook Mania」の運営の傍、複数のウェブメディアでライターとして活躍中。認定ランサー。詳しいプロフィールはこちら

「屍人荘の殺人」を聴いた感想

 

僕が「屍人荘の殺人」を読んでみて思ったのは主に次の3つです。

  • 設定が面白い作品
  • 小説を読まない人でも読みやすい
  • 予想を裏切る展開が多い

設定とか展開に驚かされる作品で、中盤あたりで唖然としたのを覚えています。
下記の感想ではできるだけ配慮はしていますが、感想を書くにあたってはネタバレも含んでいるので、まだ読んでいない人は注意していただければと思います。

犯人とか決定的なことは書いていないので、その点は安心して下さい。

設定が面白い作品

「屍人荘の殺人」はミステリランキング四冠を達成した作品ではありますが、僕が思うに設定に面白さがあるように感じます。
正直なところ、ミステリーとしてのトリックとかに関しては、そこまで突出した内容ではない、という印象です。

話の大筋としてはゾンビ+ミステリーです。
ゾンビが発生して、主人公一行が訪れていた宿泊先が囲まれ身動きが取れなくなります。
そこで、ゾンビと戦う系の話になるかと思えば、立て籠もっている宿泊施設で殺人事件が発生という流れです。

ゾンビ出てくるけど、あくまで殺人事件がメインという感じで、ゾンビドラマなのに人間同士で殺し合う「ウォーキング・デッド」に近いものを感じました。
ゾンビが迫ってきてる、でも殺人事件を解決しなきゃ、というはちゃめちゃな展開が面白いと感じましたね。

小説を読まない人でも読みやすい

ゾンビが出てきたり、設定的に面白い要素がたくさんあるので、普段小説を読まない人でも入りやすいのかと思います。
テイストとしては、ラノベとか漫画に近いものがあると思うので、楽しみやすい作品ではないでしょうか。

ゾンビが出てきて物語が大きく動き出したあたりから、加速度的に面白くなっていくので、そこからは一気に読み進められました。
逆にいうと、序盤は殺人事件も起きず平凡なパートが進んでいくので、少ししんどい部分もあります。
まぁ、ちゃんと読まないと伏線を見落としたりするので、しっかりと読み込んでいきたいとこです。

【ネタバレ注意】予想を裏切る展開が多い

トリック的に「これは!」というのは少ないですが、話の展開がかなり予想を裏切ってきます。
ここからは完全にネタバレなので注意です。


物語の序盤は主人公と先輩の明智恭介の二人がメインで話が進み、この2人はホームズとワトソンという表現もされていたので、事件を2人で解決していくと思ってました。
しかし、ゾンビ発生後に明智恭介はすぐにいなくなります。
主人公は同行していた剣崎比留子と事件解決に挑むという展開に変わります。

なんなら、僕は何も情報なしに読み始めたので、ゾンビが出てくるのもかなりの急展開でした。
しかもゾンビ映画みたいに、ゾンビとの戦いがメインの話に変わるかと思いきや、普通に殺人事件が発生です。

状況的にはゾンビに囲まれていて、身内で殺人事件も起きているのですが、登場人物が割と落ち着いて生活しているのが個人的にツボでした。

「屍人荘の殺人」をオーディオブックで聴くポイント

「屍人荘の殺人」をオーディオブックで聴くポイントとしては、次の通りです。

  • 声優陣の熱演に注目
  • 登場人物の把握がむずい

audiobook.jpで配信されている「屍人荘の殺人」は、アニメのように各キャラに声優がキャスティングされ、ボイスドラマのように聴けます。
声優陣の皆さんが熱演されているので、登場人物の感情なども伝わってきやすいです。

また、オーディオブックでは登場人物の把握が難しい部分があります。
終盤になってくると登場人物も減ってきて分かりやすいのですが、序盤は一気に登場人物が増えるので、オーディオブックだと覚えてられない部分があります。

声優さんの声で聞き分けられますが、「こいつどんなキャラだっけ?」という風に、登場人物の特徴は掴みにくいです。
徐々に登場人物についても深掘りされていくので、ド忘れしても問題なく楽しむことはできます。

オーディオブック版「屍人荘の殺人」の詳細

屍人荘の殺人
著者今村 昌弘
価格audiobook.jp:1,870円
Audible:1,400円(会員価格)
再生時間audiobook.jp:11時間32分
Audible:10時間21分
ナレーターaudiobook.jp:千葉翔也,黒木ほの香,藤原聖侑,中村純也,木本景子,野田航弥,内山悠里菜,國府咲月,杉村ちか子,光富崇雄,橘龍丸,中西伶郎,遠野夏子,いとうさとる,桜木信也,狩野俊哉,芦澤梨沙,陶國貴矢,高山絃,古川航佑,松本欣也,吉川築
Audible:浅井 晴美
出版社audiobook.jp:東京創元社
Audible:㈱アールアールジェイ

「屍人荘の殺人」はaudiobook.jpとAudibleの両方で配信されていますが、おすすめは断然audiobook.jpです。
やはり豪華声優陣による読み上げは圧巻の迫力があります。
小説を読んだことがある人でも、オーディオブック版という形で、新しい楽しみ方ができるのではないでしょうか。

Audible版は1人のナレーターによる読み上げなので、あまりボイスドラマ調が好みではない人は、こちらを選びましょう。
オーディオブックですが、普通に小説を読む感覚に近いのはこちらです。

紙本・電子書籍版

「屍人荘の殺人」の紙本・電子書籍版です。

映画版

「屍人荘の殺人」を原作とした映画化作品です。

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まとめ・感想 設定がおもろいホラーサスペンス

やっぱりサスペンスだと思って読み進めていて、ゾンビが出てきた時の衝撃は本当に凄かったです。
テロリストの伏線はあったのですが、ガス攻撃かなんかだろうと思っていたら、まさかのゾンビ。

映画化もされた話題作ですので、ぜひオーディオブックでも楽しんでいただけたらと思います!