「生き方―人間として一番大切なこと」は、大企業である「京セラ」や「KDDI」の創業者である稲盛和夫氏の人生哲学が書かれた1冊です。
この本はもはや自己啓発本なんて呼ばれる、生易しい本ではありません。
受け止めるには読者にも相当な熱量が求められます。
どうもこんにちは!
人生哲学を持って生きたい、まだまだ未熟なタケシ!(@takeshi_audio)です。
この本は「生き方」について真正面からぶつかってくるような内容で、人によっては「考えが古い」などと言い、すぐに閉じたくなるような本です。
賛否はあると思いますが、日本人は全員読むべきと思える内容で、おすすめの自己啓発系のオーディオブックです。
文字で読むよりも、オーディオブックで聴いた方が、言葉に込められた熱意が伝わってきます。
それでは参ります!
【要約】『生き方―人間として一番大切なこと』を聴いた感想
本書はよくある自己啓発本的な内容ではなく、著者の人生哲学が語られている1冊です。
とにかく人として間違ったことをせずに一生懸命に生きる大切さが書かれています。
著者の経験談や考えはとてもストイックで、本気で生きることを見直さない限り、ついていく事が難しい内容です。
人の生き方に方向性を見出したい、というような著者の強い熱意を感じた1冊ですので、ぜひ一読してもらいたい。
それでは要約型の感想を書いていきます。
生まれた時よりマシな人間になる(魂の練磨)
本書では自己啓発的な内容に止まらずに、どうして人間は生きているのか?という、かなり壮大なテーマまで、話を広げています。
「何事も上手くいかない」「やりがいを感じない」「幸せになれない」そんな、悩みを解決するためには、人間の生という根本に立ち帰る必要がある、というのが著者の主張です。
人が生きる理由として、魂の練磨つまり、生まれた時よりもマシな人間になって死んでいく、というのが著者が出した答えです。
財産や地位、名誉など人間が手に入れる、全ての物はあの世に持っていくことはできませんが、唯一鍛え抜かれた魂は、来世に繋がっていくという考え方。
肉体と精神は別であり、肉体が滅びても残り続ける魂の練磨を続けることが、人間の生きる目的であり、正しい道を選ぶ指針になります。
本書では著者の経験と考えをベースに話が進んでいくのですが、終盤にかけてかなりスピリチュアルな話が出てきます。
しかし、世界的に成功を収めてきた人の言葉ですから、妙に説得力があり、信じてしまうんですよね。
才能に人格が伴わなければ破滅する
成功するのに何が必要なのか?という、問いに対しては、色んなビジネス書や自己啓発本で様々な答えが出されていますが、本書では人格を重要視しています。
著者自身、会社経営を始めた時は知識も何もなく、ただの素人だったと言います。
しかし、1つだけ大切にしていたのは、人として間違ったことはしない、という、倫理や道徳でした。
才能がなくとも、人として間違わなければ、何事も上手くいくと信じていたんですね。
何か悪いことをした時に必ずに自分に返ってくる、魂の練磨を人生の目標に掲げている著者ですので、そういう考えの元、正しいことを続けてきました。
経営を始めようとすれば、まず経営についての知識や技術を学ぼうとするのが一般的ですが、道徳や倫理観を養おうとはしませんよね。
道徳や倫理観をないがしろにして、才能やスキルばかりを追い求めていては、破滅の未来しかないそうです。
才能が全てではない、というのが僕が読んできた権威ある本の共通認識ですので、著者の主張にもうなうずけます。
人として間違わない、この事は心に刻んでおきたいです。
とにかく一生懸命に取り組む
著者の仕事に関しての考え方として、とにかく一生懸命に取り組むことに、重きを置いています。
初めはつまらなくても、何事も一生懸命取り組んでいけば、楽しくなっていくという考えです。
誤解しがちなのは、ただただ一生懸命作業をする意味ではない、ということ。
何か目標を立てて、常に向上心や熱意を持って努力を続けていかなければいけません。
早く家に帰りたい、などのモチベーションで仕事に取り組んでいる場合は、著者の言う一生懸命とは違います。
自分の能力を未来進行形で考えて、夢や大志を抱きながら、物事に取り組んでいく姿勢こそが、成功を引き寄せます。
そのようにして、真摯に真剣に物事に取り組んでいれば、インスピレーションが降りてきて、人の思いは現実化するそうです。
インスピレーションの他にも、火事場の馬鹿力とも表現されていますが、人間の頭の中に描いた思いは、現実化させることができると言います。
著者自身、強い思いを抱き真摯に仕事に打ち込んできたことで、何度も不可能を可能にしてきました。
思いは現実化する、という著者の考えは信じ難い部分もありますが、「京セラ」や「KDD」を創業してきた、著者の体験を聞くと100%間違いとは言い切れないんですよね。
想いを抱けば何もかも叶う訳ではありませんが、想いがなければ何もできないのは、僕も事実だと思います。
労働=悪ではない
著者の人生論や哲学では、労働を軸にして生きる、ということが語られています。
現代では、こういった考え方は社畜やブラック企業など言われて、否定されがちですが、著者は真っ向から戦っている感じがします。
海外では日本より労働時間が少なく、プライベートが充実しているからみんな幸せという考えで、日本でも真似して労働時間を減らしていますが、それで本当に日本人は幸せになっているのか?と疑問を呈します。
幸せに生きるには、まず、仕事を楽しんで充実させなければいけません。
仕事を楽しんでいるからこそ、プライベートも充実してくる。
仕事は単に生活するために必要な労働ではなく、働くこと自体が幸せでなければいけないし、魂を練磨する場でもあります。
労働時間が減れば日本人は幸せになれる、という安直な考えでは、日本人は夢も希望もない民族になっていきそうです。
幸せについて考える時、趣味や交友関係なんかを重視しがちですが、まず仕事に向き合わなければいけないと思います。
なんか今の日本て色んなところでズレてる感がしますよね…。
『生き方』をオーディオブックで聴くポイント
『生き方―人間として一番大切なこと』をオーディオブックで聴く上でのポイントは次の通りです。
- 目次が少ない(audiobook.jp版)
- プロローグを集中して聴くべき
- オーディオブックの方が熱意が伝わる
まず、本書は6時間を超えるオーディオブックなのですが、オーディオブックの目次は章ごとに6分割です。
ちょうど1時間の音源が6つあるのですが、区切りが少ないので、もう少し細かく分けてもらえると聴きやすい。
また、本書はプロローグ部分が内容のまとめになっており、プロローグで語られている内容を各章で深掘りしている形なので、プロローグを集中して聴くべきです。
『生き方』は、タイトル通り著者の人生哲学が語られる、内容的にも熱い本なので、オーディオブックで語りを聞くとより強く伝わってきます。
文字で読んで、哲学とか思想が受け入れ難いと感じたとしても、オーディオブックで聴くと気持ちが伝わるはずです。
オーディオブック版『生き方』の詳細情報
著者 | 稲盛 和夫 |
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価格 | audiobook.jp:1,870円 Audible:2,100円 |
再生時間 | audiobook.jp:6時間30分 Audible:7時間3分 |
ナレーター | audiobook.jp:那波 一寿 Audible:後藤 敦 |
出版社 | audiobook.jp:サンマーク出版 Audible:Audible Studios |
オーディオブック版の『生き方―人間として一番大切なこと』はaudiobook.jpとAmazon Audibleの両方で配信されています。
内容的には変わりませんが、Audibleの方が30分ほど再生時間が長いです。
金額はaudiobook.jpがAudibleに比べて、200円ほど安く配信しています。
ですが、Audibleならコインとの交換で実質1,500円または無料で聴けるので、audiobook.jpよりも安く聴くことが可能です。
紙本・電子書籍版
『生き方―人間として一番大切なこと』の紙本・電子書籍版です。
人生のバイブルともなり得る本なので、いつでも読み返せるように、持っておくといいでしょう。
まとめ・感想 僕は古い考えとは思いませんでした。
『生き方』に関しては、時代にあっていないとか綺麗事だ、という意見も当然あるわけですが、著者に見習うべき点は多いと思います。
確かに、一生懸命働けばどうにかなる、というのは綺麗事なのかもしれませんが、一生懸命やらないと何も成し遂げられないのは事実です。
全ての人に成功を約束する哲学というわけではなく、前提としての心構えを示してくれているのではないでしょうか。
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